ふと思ったんだけども、文通ってのは、「お互いに相手の書いたものを読んで連想して、最後に相手に唐突な質問を投げつけて終わる」みたいな感じなのね。今更だけど実感したわ。
けっこうな昔、雑誌に「文通相手募集覧」があった頃。今よりも個人情報の保護が圧倒的にゆるい時代で、みんながみんな「当方大学生、純文学とビリー・ジョエルが好きです」なんて簡単なプロフィールを、実名・実住所を添えて投稿しちゃうわけよ。あぶないよねえ。すると、雑誌の読者から実際に手紙が来ちゃうんですよ。「はじめまして。お花とネコと河川敷が好きな19歳、短大生です。興味がありましたので一筆差し上げます。もし私でよろしければ文通しませんか?」なんてね。私でよろしければってこの文章であなたの何がわかるってんだよ、っていうツッコミはヤボなわけ。かわいい女の子を想像できれば十分なんですよ。お互いにね。
今なら考えられない。でもこういう時代があった。IT時代のスピードと悪意に飲み込まれてしまって絶滅した文化です。LINE IDさらしとけばチャットできちゃう時代にあえて文通ってのは、なんとも昭和心をくすぐるなあと思ったことがある。
ところで文通ってのは、「話したい相手がいるから話しかける」とか「自分の心の奥底から湧き出てくる何かを手紙にしたためて送る」っていうよりも、「とにかく文通というちょっとドキドキする趣味に没頭してみたい」っていう意欲の方が先に立ってしまうタイプの趣味かもね。どうしたって見ず知らずの女性……性別だって本当はあてにならないんだけど、とにかくその謎の女性(仮)とのやりとりを「継続させる」方にばかり集中していく。そのためには、多少唐突だろうとも文章の最後に質問とか問題提起をおいておく。すると、とりあえず返事をもらえる。返事にも「お返し」とばかりに近況を尋ねる質問とかが入ってるわけ。それでやりとりを続けていく。内容が多少飛んでいてもかまわないの。ま、文通ってそういうもんだよね。
だからいいんだけどさ。
長い前フリでフォローしたけどもだ。
何、この前回のやつ。コンサルティングの話も唐突だけどなんでこっから総合診療に飛んでいきなり病理にたどりつくんだ。無理矢理結びつけすぎだろう。編集者として原稿依頼したいなら文通形式じゃなくていいじゃないの。
文通は自称美女同士が夢もってやるもんだろうに、気合いが足りないわ。しっかりしろ。もっかい書き直せ。